民生さんと火星

廊下からペタペタと音がする。近づいてみると案の定、民生さんが廊下を行ったり来たりしている。運動しているらしい。異様な光景に吹き出しそうになるが、ホロスコープを見ると納得がいく。民生さんのネィティビティの火星に、月がトランジットしているのだ。火星は「動く」を表す。

民生さんというのは、うちの母。今年で88歳になる。民生さんというのは本名ではない。私が付けたあだ名である。

 

よく動く、よく話す民生さん

民生さんはよく動く。88歳になってもよく動く。そして、よく喋る。戦争中の事、亡くなった父の事、結婚後の苦労話などは、何度も聞かされたものだ。一度話し始めると止まらないのが厄介ではあるが、聞いているフリをして、「ふ〜ん」「それで〜?」など相槌を打ってあげると、本人はとても喜んでいる。

 

保護、育成に関連する蟹座

民生さんは、太陽と月が水瓶座。その他のパーソナル天体は、ほとんどが活動宮だ。活動宮はサインを分けた時に、季節の始まりにあたるグループ。民生さんはその中でも、蟹座と山羊座に天体が多い。蟹座は保護、育成に関連するサイン。いわゆる母性である。民生さんの火星はその蟹座にあるのだが、蟹座の火星は品位が悪い。どう悪いかと言うと、民夫さんは非常にお節介である。

 

トランジットする月

若い時から、エネルギッシュな母親であり続けた彼女だけど、トランジットする月が、民生さんの火星にハードアスペクトを形成する時は、こちらが非常にイライラさせられる。振り返ると、亡くなった父が酒を飲む原因の一つになっていたんだろうと、想像が付く。この先、民夫さんが認知症になったら、このタイミングで徘徊などをするのだろうか。考えていると不安になってきます。

それはさておき、占星術の面白いのは、天体を他者に投影させる事があります。どういう事かと言うと…。火星は「レッサーマレフィック(小さな凶星)」と言われて、行動力の他に性欲や怒りも表します。トランジットする月が、ネィティビティの火星とハードアスペクトを形成する時に、イライラを引き起こす事があって。それを他者に投影させると、イライラするはずの人がケロリとしていて、いつ間にか関係した私の方がイライラしていた!…なんて事もあるのです。それは、関わった私が、まるで火星の役割を演じているようです。

 

年甲斐もなく親子喧嘩

今も民夫さんは、私をイライラさせて、自分はベッドでいびきをかいて寝ています。気持ち良さそうに寝ている民夫さんを見ていると、なんだか腹が立ってきたので、私は民生さんの体を揺らして起こしました。それを2度ほど繰り返すと、民生さんはカンカンに怒り出しました。大人気ない事をしたと、うしろめたい気持ちもありますが、私の内心は気分が良くなり、今度は民生さんの方がイライラしていました。

その後は、しばらくぎこちない関係でしたが、活動宮の多い民夫さんはさっぱりしていますので、また仲の良い親子に戻って、何事もなかったように暮らしています。

 

宇宙って不思議

星って、こんな感じに私たちに影響していて、宇宙は不思議だなって、つくづく思います。この宇宙のお話を皆さんと分かち合えたら、こんな素敵な事はありません。親子関係に限らずパートナーシップ、介護まで。お悩みがありましたら、いつでもご連絡下さい。

 

ホロスコープ五芒星

 

ありがとうございました。

 

 

 
 

 

 

 

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2019-06-05 | Posted in ブログNo Comments » 

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